新型コロナウィルス感染症対策の中小企業支援施策について
この3月~4月にかけて、日本でも新型コロナウィルスに感染する人が増えてきて、経済的に大きな影響が出てきています。
学校の一斉休校要請に始まり、外出自粛要請や休業要請と人の動きが止まることによりお金の動きも止まり、飲食業・観光業を中心に大きなダメージが出てきています。
この緊急事態に、国や地方自治体が中小企業を支援するための施策を様々に打ち出していますので、簡単にまとめておきます。
国の中小企業支援施策
国の出している中小企業支援施策については、中小企業庁の出している各種施策と厚生労働省の施策を中心に紹介します。
経済産業省(中小企業庁)
中小企業庁が打ち出している中小企業向けの支援施策は資金繰りに関する面が中心となっています。
その施策内容はパンフレットにまとめられており、随時更新されているので、定期的に確認することをお勧めします。
持続化給付金について
最近特に問い合わせが増えているのが、「持続化給付金」です。
これは前年同月と比較して売上が50%以上減少した事業者を対象に、法人は200万円、個人事業主には100万円を給付するというものです。「給付金」なので、返済する必要のないお金となります。
今般のコロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請により、客が全く来なくなった飲食店やライブハウスなどで、「今月の家賃が払えない」「今月の給料を払えない」というところも出てきています。
4月14日現在、この持続化給付金を含む補正予算案が議決されていないため、本当に困っている事業者のところにこの給付金が届くまではもう少し時間がかかりそうです。早急に審議・議決されることを願います。
その他資金繰り対策
給付金制度が実現されるまでの資金繰り対策として、各種施策が用意されています。これらの施策を利用するには「売上が減少していること」が条件に含まれることが多いですが、収束時期が見通せない今、早めに手当てしておくことを強くお勧めします。取引金融機関や、日本政策金融公庫へまずはご相談ください。
厚生労働省
厚生労働省から出されている中小企業支援施策は、雇用関係に関する助成金です。おもに「雇用調整助成金」と学校休業に伴う「小学校等休業対応助成金」です。
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、
雇用調整助成金は、景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等(休業および教育訓練)または出向を行って労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。 教育訓練を実施した場合には、教育訓練費が加算されます。
厚生労働省雇用調整助成金リーフレット( https://www.mhlw.go.jp/content/000620875.pdf)
詳細は厚生労働省の雇用調整助成金に関するページからご確認いただきたいと思いますが、従業員に対して支払う休業手当の9割を助成するものです。新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、申請手続きに必要な書類が簡素化されるなどの措置がとられています。
申請手続きに関するお問い合わせは、労働局やハローワークへご連絡ください。
小学校等休業対応助成金
これは、2月末からの学校休校要請により仕事を休まざるを得なくなった労働者の有給休暇相当分の賃金を事業者に対して助成するものです。
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(年次有給休暇を除く。)を取得させた企業に対する助成金を創設したところです。
厚生労働省HP( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html )
当初、休校期間の想定が3月の春休み突入時期だったため、対象となる休暇取得時期も3月まででしたが、感染拡大が収束せずに休校期間が延びている地域も多く、対象期間は6月末までと延長されています。
この助成金に関しては専用のコールセンターが用意されています。申請に関する不明点等は「学校等休業助成金・支援金等相談コールセンター」(TEL:0120-60-3999)までご連絡ください。土日、祝日に関わらず9時~21時の間で対応しているようです。
この状況を生き抜くために
新型コロナウィルスの流行はどこまで続くか収束が見通せない状況にあります。つまり外出自粛、営業自粛が続くことが予想されます。このような中で事業を続けていくためには、資金が必要です。本来であれば売上を上げることで資金確保をしていきますが、このような状況では売上を伸ばせる業界も限られてしまいます。売上を伸ばせる状況にない事業者の方は、金融機関からの融資に頼らざるを得ない状況です。経営者の中には「お金は借りたくない」と考え、無借金経営でやってこられた方もいます。それはそれでもちろん素晴らしいことですが、この状況で事業が継続できなくなることも問題です。事業を継続するために融資を利用することは悪ではありません。事業継続を目指すのであれば、早めに金融機関や商工会議所、商工会等の支援機関へのご相談をお勧めいたします。
主な相談先
- 大分県よろず支援拠点:097-537-2837
- 日本政策金融公庫:0120-154-505
- 大分労働局(大分助成金センター):097-535-2100